議 事 録
 
 第百六十九回国会 参議院決算委員会 会議録第五号 2008年5月19日

 
○中村博彦君

 中村博彦でございます。
 モンスターペアレント、本当に怪物が学校現場を壊してしまいました。学校現場が崩壊し、そして社会が崩壊していっています。戦後教育の大きなツケが今私たちの社会に突き付けられていると思います。モンスターペアレントからモンスターペーシェント。御存じのように、医療現場においてはモンスターペーシェントによって、小児救急の現場一つ取ってみても、一一九番が鳴る、八〇%必要のない一一九番でございます。そして、重症患者が受け入れられない、そんな問題が大きく出てまいっております。また、一一〇番、身勝手な一一〇番、警察業務に関係ない一一〇番が二〇〇四年には八十八万件、二〇〇七年には九十五万件。減るという流れがいまだにございません。本当にこれらの問題が大きくクローズアップされてきています。それによって教育基本法が改正されたと言っても過言ではないと思います。
 文科大臣、この非常識な親、非常識な人々に対してやはり教育がどう取り組んでいくか。学校教育も変えていかなくちゃいけない。無理難題を学校に突き付けられて、そして学校教育がゆがんだんです。学校教育の延長線上としてこの保護者教育をどうするのか、それと同時に生涯教育をどのように取り組んでいくのか、御答弁をお願いいたしたいと思います。

○国務大臣(渡海紀三朗君)
 今委員がおっしゃいましたようなモンスターペアレンツという、そういう、昔はなかった言葉ですよね、はっきり言いまして。こういう問題が学校現場に非常に大きな負担を与えているということは大変我々も心を痛めておるところでありまして、適切な手を打たなければやっぱりいけないと思います。
 ただ、親の教育をどうするかと言われましてもこれはなかなか難しいところがありまして、ちょっと手の届かないところにいるようなところもありますから、私は、これは私の個人的意見でありますが、地域の力というのが非常にやっぱり決め手だろうというふうに思っております。
 学校支援地域本部というのを今年千八百か所、全国、大体全市町村ということになろうかと思いますが、つくっていただくということで、今もう既に千か所以上手を挙げていただいておるわけでありますけれども、こういった取組も一つの取組でありますし、例えば担任の教員だけがこの問題を抱えて実際の教育というものに集中できなくなっているというような状況があってはこれは断じてならないわけでありますから、学校、地域また教育委員会、こういったものが総合的に機能して、そしてこういった親に当たっていかなきゃいけない。
 親が教育できるかどうか、これはちょっとなかなか難しい問題だろうとは思いますけれども、そういったことによって先生方が本来の授業ができないというふうな、集中できないというような状況はないように我々も頑張っていかなければいけないと考えておるところでございまして、そのための有効な手だてをできるだけ打っていきたいというふうに考えております。

○中村博彦君
 転嫁するときに地域にという言葉、必ず使うんですよね。介護の現場も、荒廃してくると介護は地域で、必ず地域に責任を転嫁するところがございます。しかし、わがままな保護者というものは、まずその場で、学校で解決、啓蒙させる、どうかひとつそういうつもりで学校教育を再構築していただきたいと、このように思っております。
 給食費の未納者が何と小中学校滞納総額二十二億円、十万人、また保育料の滞納も三十四億円、高校授業料の滞納も五億九千万円、そして、確かに経済的な理由というものがございましたらそれは政治で解決していかなくちゃいけないと思いますが、残念ながらモラル低下によって半数が払われていない、払う必要がないんだ、義務教育は国が持つべきだ、そううそぶくモンスターペアレントもいらっしゃるわけでございます。どうかひとつ、そのような問題点につきましても緊急に御対応をお願いいたしたい。
 そして、この給食費未納に対しての対応というのは、生活保護者につきましては教育扶助、学校給食費、それと同時に生活保護に準じた人々には就学援助制度がございます、市町村補助でございますが。しかしながら、この就学援助制度が御存じのように大変な格差が生まれてきておるわけでございます。東京の足立区では、何と就学援助は四七・一五%にも上る。全国平均は一二・八%なんです。こんなにも格差が生まれてきております。
 これは本当に、市町村財政ということになるわけですけれども、教育の機会均等というところから考えますと、このような就学援助の受給者増、平成十六年で百三十八万人、そしてこの地域間格差、これをどのようにお考えなのか。それと同時に、どう格差を解消していっていただけるか、御決意を大臣にお願いしたいと思います。

○国務大臣(渡海紀三朗君)
 大臣にということでございますから、私は今お話をお聞きしていまして、機会均等をやっぱり我々は確保しなきゃいけない、これは憲法で与えられた権利でありますから。そのことで就学援助という制度があるとまずお考えをいただきたいと思います。
 地域間格差という問題は少し別の観点から考えていかなきゃいけない問題でありまして、そこの例えば世帯構成が一体どうなっているか、そういった問題で、大きくこの就学援助の問題は私は起因していると承知をいたしておりますが、そういうことによって、就学援助を受けている子供が多いという一面だけではなくて、そういった子供が多い地域において教育の機会に差が生まれているということがあってはいけないという観点から、我々は教育の問題を考えていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
 そして、やっぱりこの問題を全体的に解決していくためには、今いろいろやっておりますような、これは政府が一体となって取り組んでおりますけれども、地域間格差、都市と地域といいますか、都市も地域という概念の中に入るんだろうと思います。都会と、田舎と言うとしかられるかもしれませんが、過疎地というか、そういった問題を、我々は政治家でありますから、これは先生にも御協力をいただいていると思いますけれども、しっかりと我々が政治の問題として解決をしていくということが大事であろうというふうに思っております。

○中村博彦君
 平成十八年十二月に教育基本法が改正されました。そして教育振興基本計画の策定が義務付けられました。いよいよ五年間で取り組む重点施策が示されて最終案が出されそうになってきておるわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、いよいよ戦後教育の見直しが始まったと。そして、戦後の教育は、ある意味で社会劣化、社会崩壊という一つの側面を生み出してしまったということは否定できないわけでございます。
 これから我が国が、資源の乏しい島国日本が教育立国をもってこそ世界に生き残れるわけでございます。そういう意味から、戦後のやはり悪しき平等教育、ゆとり教育による学力劣化、これにつきまして、是非この基本計画に積極的に展開、頑張る、指数というものを打ち出していただきたい。大臣は教育費、GDP比三・五%から五%と、そのような数値目標を立てられておりますが、あらゆる問題点で積極的に果敢に攻めていっていただきたいと思います。
 御感想をひとつ。

○国務大臣(渡海紀三朗君)
 この質問は何度も出るわけでありますが、教育に対して、例えば投資目標をつくるかどうかというのは随分我々も議論をしてまいりました。一方、最近、投資目標というものを書いてあるものは科学技術基本計画しかないんだという、こういう議論もあるんですね。ただ、私は教育と科学技術というのは非常に似ていると思っていまして、それは何かというと、いわゆる数字と成果というものを短兵急に結び付けることが非常に難しい。見えない部分が多いんですね。
 だとするならば、やっぱり投資目標というのも一つの国家の目指すべき目標になり得るというふうに考えまして、今、ただ単にしかし目標を掲げるということではなくて、それは十年後のどういう姿なんだと、例えば初中教育はこうする、幼児教育はこうする、高等教育にはこういったレベルを考えているという成果目標をしっかりと盛り込めるような、そういったものにした上でこれから仕上げていきたい。仕上げるというのは、要するに我が省の考え方を示して政府内で調整に入らせていただきたいというふうに考えているところでございます。

○中村博彦君
 この教育振興基本計画の案の中で、重点項目を挙げられております。幼保一元化した中で認定こども園を二千か所と、こういう項目も上がってございます。しかし、私は、なぜ幼保一元化しなかったか、一本にしたらよかったんではないのか。この認定こども園の申請手続が煩雑、運営上のメリットに乏しいと、こういうような結論が出ております。どうかひとつ、この二千か所という目標もよろしゅうございますけれども、是非この幼稚園、保育所、認定こども園を一本化した形でつくっていただけたら有り難いんではないかなと、こういうように考えるわけでございます。
 続いて、学校の耐震補強の進捗状況でございます。
 先ほど神本議員からもお話がございましたように、今資料を委員の皆さんにお配りをさせていただいています。本当に今ニュースを見れば、悲惨な中国の地震での被害状況が伝わってきております。そして、痛ましい小学生、中学生が多く亡くなっておられます。それを考えたときに、我が国の耐震性のなし、未診断というのが五万三千六百三十六棟、四一・四%ございます。耐震化率五八%ということになろうかと思いますが、これはどうされるのか。
 この基本計画では危険性の高い一万棟を優先耐震化すると、こう言っておられますけれども、果たして一万棟でいいのか。これはもちろん財源の問題もございます。しかし、子供を育てることがまさに日本国としては最優先課題でございます。それを考えるとき、どうしていくのか。
 そして、確かにこの上位と下位の格差がございます。長崎県、徳島県、茨城県、徳島に住む私にとっては涙が出るような数値でございます。これを見たとき本当にどうしたらいいのか、今後の早急な対応というものを考えざるを得ません。
 大臣、もう簡単で結構でございますから、お願いいたします。

○国務大臣(渡海紀三朗君)
 私は、先ほども実はお答えをしたんですが、あらゆる選択肢を排除することなく、早急に具体案を策定をしたいというふうに申し上げております。そのように頑張って、できるだけ促進をさせていただきたいと思います。
 ただ、これお金の問題といえばそうなんですが、主に地方の財政をどうやって支えてあげるかという点が一番のポイントだというふうに認識をいたしております。

○中村博彦君
 今の格差、これは財源難ということだろうと思います。これをどう対応していくか。これは本当に内閣として取り組まにゃいかぬ問題であろうかと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 新学習指導要領、これも小学校は二十三年、中学校二十四年、そして前倒し実行ということも言われてございます。本当に、理数教育、外国語教育、そしてスーパーサイエンスティーチャーを養成する、そういうように多くの問題点がございます。しかしながら、福島県の例で見ると、二十代の教員はわずか中学校四・五%、小学校四・二%、二十代教員が本当に少ない、こういう状況下にございます。どういい教員をつくっていくか、大きな問題ではないか、大きな緊急課題ではないか、そういうように思ってなりません。
 それと同時に、教員充実ということと不適格教員について、この不適格教員というのがどこの学校にも二人や三人いらっしゃるわけでございます。人間失格、能力不足、この不適格教員についてどう排除するのか、どう分限処分していくのか。やはり教員充実と同時に、この不適格、指導力不足の教員を教育現場から排除をするというのも必要な施策でないかと、このように考えるわけでございまして、その辺の対応についてお答えをお願いいたしたいと思います。

○政府参考人(金森越哉君)
 お答えを申し上げます。
 まず、優秀な若手教員の採用確保についてでございますが、教員の採用に当たりましては、教員の任命権者である各都道府県教育委員会等におきまして、年齢構成が全体としてバランスの取れたものとなるよう配慮しつつ、教員としてふさわしい資質や使命感、意欲、適格性、実践的指導力などを適切に評価し、質の高い教員を確保することが重要と考えております。
 このため、各都道府県教育委員会等におきましては、採用選考におきまして、面接試験の工夫改善や、多様な社会体験の評価、社会人経験者を対象とした特別選考など様々な工夫改善を行い、質の高い教員の確保に努めているところでございます。特に英語教員の採用選考におきましては、ヒアリング試験や英語によるディベートなどの実技試験の実施でございますとか、英語の資格を持つことによる一部試験の免除を実施している教育委員会があるほか、理数教員の採用選考におきましては、勤務経験や専門的な知識、経験を有することによる一部試験の免除を実施している教育委員会がございます。
 引き続き、質の高い教員をバランスよく確保するよう促してまいりたいと存じます。
 次に、指導力不足教員への対応でございますが、教員の指導は心身ともに発達段階にある児童生徒等に対して大きな影響を及ぼすものでございまして、指導が不適切な教員が児童生徒の指導に当たることがないようにする必要がございます。
 昨年六月には教育公務員特例法が改正されまして、指導が不適切であると認定した教員に対し、指導改善研修を実施すること、また、この研修終了時の認定におきまして指導が不適切であると認定した者に対しましては、免職その他の措置を講ずることなどを規定したところでございます。
 この法改正を受けまして、私どもでは各教育委員会がこの法律に基づく制度の運用を適切に行えるよう、今年の二月に指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインを作成いたしまして、各教育委員会に周知をいたしたところでございます。
 今後とも、指導が不適切な教員への対応が適切に行われるよう、各教育委員会を指導してまいりたいと存じます。

○中村博彦君
 いよいよ新学習指導要領で一番変えなくてはいけないものが、私は通知表、通知簿だろうと思います。現在の評価はすこぶる評判が悪い。なぜこんな通知簿になったのか。五段階評価で、そして五は何と九〇%、そして一層努力を要するという一は〇%、これは本当になっていません。これは余り前を見せたらいかぬと言われている。この観点別評価一つ見ても、社会的事象への関心・意欲・態度、これは社会の教科ですが、社会的な思考・判断、資料活用の技能・表現、社会的事象についての知識・理解、四項目に分かれておるけれども、これは鳩山大臣でもなかなか三十人の生徒が、評価は私はできないと思います、こんな項目では。
 まさにこの通知簿を変えていただきたい。絶対評価方法の導入から相対評価に、そして親が、保護者が知りたい評価、弱点も知りたい、長所も知りたい、そしてこういう分野はクラスの中で秀でているのだろうか、落ちているのだろうか、それが私は通知簿だと、通信簿だと。私も小学校のとき通信簿もらって母親に見せるのが本当につろうございました。それが今の私をつくるんです。涙や苦労なくて人生が開拓できるはずがないということでございます。
 これも大臣、文科大臣、どうぞお答えください。

○国務大臣(渡海紀三朗君)
 まあそんなに世代は変わらないと思いますが、我々のころの評価が一体どうだったろうなと思いながら今ちょっと考えていたんですがね、たしかやっぱり一点から五点という点数表だったと思います。それ以外に、どういいますか、今で言うと、生活習慣とは違いますね、人間性みたいな評価がございまして、私はいつも常に悪かったのが、協調性が悪い、根気強くないというのが悪くて、私はおばあちゃんに育てられたんですが、紀三朗、ここのところは気を付けなきゃいけないよと言われたのを今思い出しておりました。
 先ほど学力調査の実は御質問もいただいたんですが、今自分の子供がどういうところにいるんだろうということについていえば、担任の教諭はつかめるはずなんですね。そういうことを父兄にちゃんと説明するということは可能であろうというふうに思いました。それから、評価の仕方が、今の評価は、今先生がお読みになったその評価表というものを正直余りよく知りませんので、ただ五段階とおっしゃっていましたから、相対評価というのは比べて一番からこうやってずっと例えば並べるとか、そういった意味だとするならば、いい点と悪い点があるだろうなと。だから、自分がどの辺にいるんだということを知るためであれば、序列化しないで方法はあるだろうという、そういう感じがいたしております。なお研究をさせていただきたいというふうにお答えをさせていただきたいと思います。

○中村博彦君
 ありがとうございます。
 それじゃ、これも皆さんのお手元へ配らさせていただいています。
 これも小さいとき母に言われたことでございますが、本を読まなくては駄目だと、本を読んで、もちろん国語を勉強することと知識や人間としての道を知ることだと、そう言って本を買ってくれた遠い思い出がございます。それがまた格差が付いている。これまた徳島県、これひどいんですよね。この表を見ていただくと、図書購入費が一般財源化されました。こんなにも格差が付く。島根県、これ本当にちょっと言いづらいんですよね、青木会長のところでございますから言いづらいんですが。青森県、北海道、こんなにも格差が付いてきた。そして、なぜか分からないけれども、山梨が高いんですね。まさにこの人間力、小さいときから本を読むというのがこれだけ大切だということでございます。
 教育費の別項目に流用されているわけです。大半が駄目教員やもうあと四、五年の高給与の教員の給与に消えていっているのが実態でございます。本当に、こういう部分についてもどのように指導されるか。御存じのとおり、図書購入費についても文科省は千八百七十一町村で実態調査をされています。そして、基準の六割に満たない市町村が四四%も占めているということでございます。この実態調査を生かして、ひとつ指導をお願いいたしたい。
 教材費もまさにそのとおりでございます。教材を使って、そしてそれぞれの教科を楽しくして勉強するという教材費が、こんなにも格差が生まれているということでございます。
 続いて、留学生の受入れについて御質問をしたいと思います。
 グローバル社会、この留学生の受入れ十万人計画が、何と昭和五十八年から平成十五年まで二十年間で一万人から十万人の達成を見ておるわけでございます。本当にどうなっているんだ。今回、福田総理は、施政方針演説の中で留学生受入れ三十万人計画というのを発表してございます。二十年で十万人、それを考えたときに、今後十二年間で三十万人に増やすための留学の魅力プランというのは一体どうしたらいいのかということになろうかと思います。
 これ、文科大臣、鳩山法務大臣、泉国家公安委員長さん、大臣、今三人だけでございますね。これがトニー・ブレアが作りました、ブリティッシュカウンシルといって、イギリスの留学生、イギリスは留学生制度を全世界にこんなのだよというPR誌でございます。これ、すばらしいんです。留学とは人生への投資、自分をつくる季節です、だから確かな未来をつかめる国へ。また、人種や国家を超えて一人の人間の個性を見詰める、それが英国の流儀です。伝統があるからこそ革新的な発想が生まれる、英国教育、その進化は止まらない。このように、イギリスの留学生政策というのを本当に展開をしております。
 我が国も、福田総理が三十万人計画を打ち立てました。これは本当に実行していかなくてはいけない、これからの二十一世紀戦略だろうと思います。その点についてどのようにお考えなのか、文科大臣、お願いしたいと思います。

○国務大臣(渡海紀三朗君)
 福田総理が施政方針演説において、留学生三十万人計画というものを作りたいということで発表をされました。
 これは日本をより開かれた国家にするという、こういう考え方でございまして、我々は今総理のリーダーシップの下、この具体的なプランの実現に向けた方策というものを検討しているところでございます。今日はたまたま鳩山大臣いらっしゃるわけでございますが、先ごろも経済財政諮問会議の中で、やはりビザの問題もあります。また、学生だけではなくて就労ということもあるわけですね、留学した後の。こういった問題も含めて、入口から出口、また出口以降も含めた政策を取らなきゃいけないと思っております。
 それと、何よりも大事なことは、そのためには日本の国が、日本の大学等が留学先として魅力的にならなきゃいけないということがあります。そして、そういうことに対してどういう手を打つかということ。
 もう一点、これは簡単に言いますが、やはり日本では今、例えば英語で卒業できる大学というのは五つしかないんですね。これじゃやっぱり余りにも三十万人には難しいだろう。この前私は教育大臣会合に出席をいたしました、ベルリンで。フランスの、あのと言うとしかられますが、あのフランスの大臣が、フランスでは英語で全部お受入れします、こういう演説をしておりましたから、そういう時代になったということも踏まえてこれから対応していきたいというふうに考えております。
 総理のこれは強いリーダーシップでやっていることでありますから、何としても、我々としては二〇二〇年までに一つの目途としてこの計画を実現をする案を作りたいというふうに思っております。

○中村博彦君
 先ほどトニー・ブレアの話をいたしましたけれども、このイギリスもまさにそのとおりでございまして、留学生受入れ環境の整備、入国ビザ手続の能率化、就労機会の拡大、奨学金制度等ございます。日本も御存じのとおり、在留期間につきましても九十日から百八十日への延長、それから学位によって就職する職種が限定されておりました。しかし、これも広く広めていきたいと鳩山大臣が考えておられるようでございます。
 私は連休に、ハノイ工科大学へ行ってまいりました。ITSS教育能力強化プロジェクト、JICAの協力事業で留学生を受け入れております。しかし、ITの専門職と、日本語を教えてもらいながら日本の留学生として受け入れていただけるのはわずか二十人ぐらいだそうでございます。大変残念がっておられます。この辺につきましても是非ともお考えをお願い申し上げたい、このように思っておるわけでございます。
 もう一点、時間がございませんので続けさせていただきますが、今御存じのとおり、日系ブラジル人、これだけ留学生制度が叫ばれながら日系ブラジル人の子供たちの教育というのは四人に一人は不就学でございます、外国籍の子供は日本の義務教育は蚊帳の外と。一九九〇年の入国管理法改正で日系人の二世、三世には就労制限のない定住資格が与えられました。だが、労働力に着目した日系人の移入政策だけでございますので、外国人登録は転居届が義務化されていないため、本当に分からなくなっております。この不就学の実態、就学にしても不登校の実態の分析、早急な対応をお願いいたしたい、このように思います。
 これは日経新聞、読ませてもらいます。
 少年院は全国五十二か所にあるが、久里浜だけは今でも特別な存在だ。ここには毎年二十人、三十人ものブラジル人が送り込まれてくるからだ。顔は日本人と同じでも、ほとんど日本語が話せない少年たち。働き口を求めて南米から来日した日系人の子弟である。日本人が見て見ぬふりをしてきた労働市場のひずみがここに見える。久里浜は日本経済の隠れた病巣を映す鏡かもしれない。約一年間の矯正期間を経て、無事に社会に復帰した久里浜の卒業生の言葉が印象的だ。久里浜は私にとって最高の学校でした。日本に来て初めてきちんとした授業を受けさせていただきました、こう言ってございます。
 この辺の部分につきましてもどうかよろしくお願いいたしたいと思いますし、この入国問題、鳩山大臣、よろしく御答弁をお願い申し上げます。

○国務大臣(鳩山邦夫君)
 留学生の受入れのことは文科大臣の方のお仕事だと思いますが、受け入れた留学生が勉強をして、いよいよ卒業して就労という段階になったときに、確かに先生御指摘のように、かつて大学で専攻した科目と就職する会社とが全然関係ないじゃないかということで在留資格を認めなかった、就労を認めなかったという例がございます。
 ですが、今ではそういうことはありませんで、そういうことがあったものですから、もう今は企業は、例えばIT専門の企業でもいろんな部門を持っている、あるいは全く文化とか芸術関係の会社であってもITも必要としているということで、大学の専攻した科目と就職先の企業でどういう仕事をするかということには関連性を厳しく求めてはいけないという入管局長の通達を既に出してあるわけでございます。現実に、平成十九年に一万四千五百件の留学生が卒業して就労という資格への変更の申請があったわけですが、一万三千四百件を許可しておりますので、許可率は九二%となっております。
 どういう八%の方々が就労を認めなかったかというと、その就労予定の会社がめちゃめちゃで非常に問題があった場合、あるいは実際、企業の実体がないというような場合、あるいは御本人が留学中を含めて素行が極めて善良ならざる部分が目立った場合という、こういうときだけでございますので、大学で勉強した内容と会社の違いによって就労という在留資格を与えないということはもうなくなっていると思います。
 また、今ブラジルの件もありましたが、確かに教育が受けられないと犯罪に走ることが多いわけでございまして、現在、外国人受刑者の中でブラジルは、多分中国に次いで二位とか三位という多数に上っていることも事実でございます。

○中村博彦君
 広く外国人受入れ、ここで高校駅伝でこの高体連、本当にまた外国人枠を設け制限を、排除するというような動きがございます。高校駅伝で、一区は外国人の留学生を走ることを禁止しようと、そういうような動きも出てきてございます。どうかひとつ、スポーツの名の中において、どの民族もどの国籍を有する人も日本国へ入れた以上は平等で、そして競い合うという土壌を是非ともつくっていただきたいものでございます。
 最後に、泉国家公安委員長、お出ましでございます。
 これはもう御存じのとおり、現在未解決事件、リンゼイ・アン・ホーカー殺人事件一つ見ても、豊田市の女子高校生殺人事件、舞鶴市の女子高校生殺人事件、本当に未解決な事件が起こっております。また、高齢者対象におれおれ詐欺、振り込め詐欺、そういう詐欺の手口が巧妙化してきている、こういうような状況下でございます。そして、平成十八年では二百五十五億円の被害、平成十九年では二百五十一億円の依然とした被害に遭っておられる方がいらっしゃいます。
 このような動向を考えるとき、やはりこの検挙率、これを本当に上げていかなくてはいけない、このように考えるわけでございます。
 どうか国家公安委員長におかれては、この問題、社会を不安にする、日本国を不安にする事件について、どうか積極的、果敢に御展開お願いいたしたいと思います。御答弁をお願いいたします。

○国務大臣(泉信也君)
 委員御指摘のように、京都の舞鶴市における女子高校生の殺人等の事件、あるいは豊田市における高校生の殺人事件、この本当に短い時間の中でも大変多くの国民に不安を感じさせる事件が起きておりまして、このことに対して我々は全力で取り組んではおりますけれども、なかなか国民の不安を払拭するというところまで行っていないことを申し訳なく思っております。
 ただ、過去三年間、いわゆる捜査本部を設けて捜査をやってきました事件、未解決のものは三年間ほぼ二十件前後でございます。これを更に進めていくというためには、警察の組織力あるいは科学捜査を積極的に展開していくということが必要だと思っておりまして、具体的には、専従捜査班を設けて行う、あるいは鑑識活動、聞き込みを行う、さらにDNAの鑑定等の科学的捜査の実施を強めていく、こうした事柄に取り組んでおります。
 そしてまた、広く多くの国民の皆様方に御協力をいただかなければならない点もございまして、被疑者の写真等を公開して公開捜査を実施する、あるいは有力な情報を提供していただいた方に些少ではございますが謝礼を支払わさせていただく、これは現在二十三件をこういう案件として掲げさせていただいておりますが、こうしたことで取り組んでおるわけでございます。何としてでも一日も早く問題を解決しなければならない、今後ともそういう姿勢で取り組んでまいります。
 また、振り込め詐欺等につきましても、御指摘のように、大変、一つの事件の対応が大方山を越しますとまた違った事柄が出てくるということで、やや後追い的なところがないとは言い切れません。しかし、こうした問題につきましても、今日まで、検挙ということから見ますと、例えば平成十六年は五・一%、十七年は一一・七、十八年は一五・六、十九年は一七・二、そして率としては確実に検挙率を高めてきておると思っております。しかし、被害を十分に抑止するだけの成果を上げていない、そう申し上げなければならないことも事実でございますので、この振り込め詐欺等の被疑者の取締りを更に強化をしてまいりたいと考えております。
 なかなか、御承知のように最近の事件というのは難しい局面がたくさんございますので、警察挙げて取り組んでまいる覚悟でございます。

○中村博彦君
 三大臣の前向きな御答弁、ありがとうございました。

 
ページの